木曽駒ケ岳に登ってきました。
今回は夏休み前の3連休で、事前の予報でも気温も高そうなので、ある程度標高の高い山に行こうと考えていました。
その中でもロープーウェイであっという間に2,600mまで行けて、さらにその後の道も楽な木曽駒ケ岳を選びました。
子供たちにも「今度の山は楽できれいでサービス登山だよ」なんていっていました。
しかし!!
そんな思惑もどこへやら、ある意味いままでで一番過酷な登山となったので、これから行こうと思っている方がそうならないように、今回の経験を踏まえて私なりに木曽駒ケ岳攻略法を残していこうと思います。
木曽駒ケ岳データ
木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は長野県上松町・木曽町・宮田村の境界にそびえる標高2,956mの山で、木曽山脈(中央アルプス)の最高峰。日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選定されている。木曾駒ヶ岳とも表記され、また略して木曽駒と呼ばれる事もある。
駒ヶ岳の名を冠する山は日本の全国に多数あり、その最高峰である南アルプスの甲斐駒ヶ岳とこの木曽駒ヶ岳に挟まれる伊那谷では、この山を西駒ヶ岳または西駒、甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ岳または東駒と呼ぶこともある。木曽前岳 (2,826m)、中岳 (2,925m)、伊那前岳 (2,883m)、宝剣岳 (2,931m) を含めて木曽駒ヶ岳と総称する場合もある。
標高 2,955.95m
位置 北緯35度47分22秒 東経137度48分16秒
木曽駒ケ岳登山する為に乗り越えるべき問題
で、登山コース紹介と行きたいのですが、まず登山コースに至る前の段階。
ここが大問題なんです。
何が大問題か。
登山口までめちゃくちゃ時間がかかる!
なのでその解説から。
まず、その日は
・3連休の真ん中であること
・前の週に大雨でその日に予定していた登山者が次の週である3連休にずらしたであろうこと
・一帯の高山植物の開花ラッシュであったこと
この3つの特殊事情が重なっていたことを申し上げておきます。
木曽駒ケ岳登山道入り口に行くには、麓の「菅の台バスセンター駅」に併設されている駐車場に車を止めてそこから出るバスに乗り、一般車両通行止めの山道を30分ほど走りロープウェイの「しらび平駅」に行きます。
そこから駒ケ岳ロープウェイに乗り「千畳敷駅」に行き登山開始ということになります。
問題1、菅の台バスセンター駐車場
まずこの麓の駐車場、バスセンターに併設されていて便利なのですが、休日には朝の4時には満杯になるとこのと。なので、ここに停めるには前泊は必須となりますが、涼しい季節には窓を閉め切って安眠できるかもしれませんが、暑く窓を開けて寝るこの季節にはなまじ広い駐車場のため夜から朝方まで車の出入りが多く、ちゃんと寝るのは至難の業です。
この先にも狭い静かそうな駐車場はあるのですが、バスの始発がここなので、この先の駐車場に停めてそこでバスに乗ろうとしてもすでに満員で乗れないことがあるらしいのでここに停めましたが、定期的に起こされてほぼ徹夜状態となりました。
問題2、路線バス
このバスセンターから先は、一般車両通行止めなので必ずバスに(タクシーも可)乗らないといけないのですが、前日にバスセンターの人に情報を聞くと、バスとロープウェイのチケット販売開始が4時半で、すでに夜中の2時後半から並び始め販売開始時にはそこそこの行列ができ、チケット購入後はすぐにバスの列ができ、バスが走り始めるころにはすでに大行列、6時にはバスに乗るのに90分前後かかることになります。
私はさすがに3時に起きて並んでそのあとにすぐバスの行列に並び登山ということはきついと思ったので、子供たちを寝かせたまま4時に起きてチケットを買い、1時間ほど寝てから5時半に起きて朝ごはんを食べてからバスに並ぶことにしましたが、ご飯を食べ終わってふと外を見るとすでにこの大行列(笑)。子供たちを二度寝させた後に私が一人でこの行列に並びました。
問題3、ロープウェイ
バスは時刻表がありますが、混雑時には関係なくバンバンピストン運航してくれます。しかし、いくらバスが台数を増やして登山客を運ぼうが、その先のロープウェイは台数を増やすことができないためここでボトルネックができます。
そのためにまたここでも長い時間待たされることになります。
私はここでもさらに90分待ちました(笑)。
バスを降りた順に整理券が配られるので、バスの様に列に並んで待つことはありません。なので、みんな近くを散策したり売店で軽食を取ったり寝たりして、自分の番号が呼ばれるまで時間をつぶします。
途中1時間の仮眠はありましたが、4時にチケットの列に並び6時にバスの列に並びロープウェイの駅に着いたのはすでに8時半、そこからさらに90分待ち、ロープウェイに乗れたのは10時半になっておりました。
で、結局千畳敷についたのは11時少し前ということになり、この時点でヘロヘロです(笑)。
このロープウェイ問題は当然下山でも同様で、登山終了後千畳敷駅で整理券をもらった時点で120分待ちということでした(笑)。
昨晩からほぼ安眠できていない状態の上、登山開始までに実に7時間が経過しているという、とんでもないハードワークとなりました(笑)。
ではどうすればこのようなことにならずに快適に木曽駒ケ岳登山を楽しめるかということを私なりに考察して、考えられる最善の対応策を一番最後にまとめてみます。
登山コース
日帰りの場合は 非常に単純なピストン一択となります。
https://www.chuo-alps.com/day-climbing/
参考タイムは往復4時間ということです。
他の山をめぐる縦走コースもあります。
車中泊場所
バス発着場所である「菅の台駐車場」としましたが、付近には合計1000台ほど止められるとのことで、利便性を無視すれば停められないということはなさそうです。
徒歩数分の所に日帰り温泉もあり、地元の名産らしい「駒ケ根ソースカツどん」の名店であるレストランもあり、立地は良いです。
特に明治亭のソースカツどんはボリューム満点でおいしかったですね。
前日、ここで食事をしながらすでに18時過ぎににもかかわらず、お店の前の道を登山客を満載して帰ってくるバスを見て「結構みんな遅くに降りてくるんだなあ」なんてのんきなことを言っていましたが、翌日自分たちがその時間のバスに乗って帰ってくるとは夢にも思ってもいませんでした(笑)
登頂
千畳敷カールについた時には前述の通りもうヘロヘロです(笑)。
しかし、標高2,600m。さすがの絶景でやる気を出します。
最初は太古の氷河が削ったカールに咲き乱れる高山植物を楽しみながら進みます
まあここまで来るのにそこそこの山を登ったぐらい疲れましたが、流石の景色。人が集まるのも無理はないです。
道は整備されており歩きやすいですが、如何せん絶対的な角度があるので、場所により滑ったらそこそこの怪我をすると思われます。
このコースの唯一の疲れる登りはこの「八丁坂」で、渋滞もありここだけで1時間ほど使いましたが、中間地点の「乗越浄土」に到着。
このすぐ先にある二つの山小屋の横を通り、20分ほど歩き「中岳」へ。
中岳に上ると、そこから目的地である木曽駒ケ岳山頂を見ることができます。
残るはこの緩やかな登山道で頂上を目指します。
で、トータル2時間ほどで登頂!
見た目ボロボロでとても片道2時間の登山の体ではないです(笑)
そらそうです。もうほぼ徹夜で動き出してからすでに10時間ほどたっているのです(笑)
4人そろった山頂での写真は、近しい親族や子持ち友人用の年賀状としますが、この写真の顔は笑顔が疲れ切っており遭難から帰還した家族のようでとても使えないですね(笑)
山頂で流れる雲と山々を見ながらしばし休憩します。
娘はヘロヘロで山頂でシートを引きそこで爆睡です。
下山
途中の中岳前後で中岳を登頂するルートと、中岳の脇を通るルートの二股に分かれます。
中岳は登りがありますがそのぶん危険個所はなく、脇道はアップダウンがあまりない分、谷の脇を通るため結構危険です。
なので上り下りがありますが、子供が小さい場合は中岳山頂を抜けるルートを選ばれると良いと思います。
途中ただ通り抜けた「宝剣山荘」に立ち寄り、いつもの百名山バッジと飲み物を買いトイレを済ませます。(トイレ200円)
このルートは最初のホテルを合わせると5件の宿泊施設がありトイレや飲み物には事欠きません。
子供たちは少し休憩して、私は下りロープウェイの整理券をゲットしに一人先に下山しました。
とは言うものの、下山者も多いうえに、まだ上ってくる人も結構いてたいして急げはしませんでしたが、子供たちより20分ぐらいは先につけました。
で、一人整理券をゲットするも、前述の通り120分待ち(笑)。
ホテルの前はロープウェイ待ちの人でごった返してるわ、結構冷え込んでくるわで最後のダメ押しをされました。
下山後
この日は近くのキャンプ場を予約していました。
敷地内に温泉もあり、下山後は焚火でもしながらゆっくり地ビールでも飲み温泉に浸かろうとのんきなことを言っていましたが、まさかチェックインが19時近くなろうとは(笑)
しかし事前に電話をして事情を話しており、何とかチェックインでき、温泉施設のお食事処もギリギリ滑り込みセーフで麺類限定でしたが暖かい夕食を食べ、温泉につかることができました。
もうあとは寝るだけ。夜は結構涼しく川の横だったのでせせらぎの音を聞きながら恐ろしいぐらいの爆睡をしました。
翌朝は9時過ぎまで外に出した椅子でくつろぎ、ゆっくりと帰路につきました。帰りの大渋滞も知らずに(笑)。
キャンピングカー乗り的木曽駒ケ岳攻略法
そんなこんなで今までで一番過酷な登山となりましたが、すべて終わってみて考えると、もうちょっとましな状態で登山に挑むことができたのではと感じました。
まずかった点を整理すると。
まず第一に時期
これは木曽駒ケ岳二大見どころの一つである高山植物の開花。その時期の3連休であったこと。
第二には時間
朝の段階では、4時半に切符を買い、そのあとに始発の5時過ぎのバスに乗りロープウェイで山頂を目指すことができましたが、子供たちも寝不足でかわいそうだと思い6時スタートとしたことで、かえってものすごく遅くなってしまったこと。
切符を買った時点では始発のバスに乗れたのですが、仮眠の1時間でその後の5、6時間ぐらい損した感じになりました。
じゃあどうすればよいか。
まず時期、開花時期、紅葉時期でもよいと思いますが、間違っても3連休にはいかずに普通の週末、できれば金曜日の晩に出て土曜日に登頂すると結構ましだと思います。もちろん平日だとガラガラだということです。
次に時間、これはもう朝一で登ってさっさと帰ってくるのが吉だと思います。
駐車場の1時間はその後の5、6時間。朝仮眠をせずに早く行って早く帰ってきて早く寝たほうが良いですよね。
それにはまず前日の安眠が必須。私は今考えると、下山後に泊まったキャンプ場に登山前日に泊まって、ここなら少なくとも22時には静かになるだろうから4時に自分だけ起きて車で5分のバス発着所に行き、かみさんと私とで二手に分かれて一人はチケット購入、一人はバスの列に並んでチケットが買えた時点で子供たちを連れてバスの列に並び始発で出発。
そうすれば千畳敷駅には一時間後の6時半には付けます。そこから山頂へ、4時間の往復で10時半に終了。その時点では下りロープウェイは混んでいないので下手すれば12時前には元の駐車場に戻ってこれます。
朝ゆっくり目に出て下山18時。仮眠せず朝一で出て下山12時。この差はあまりにも大きいですよね。
私はもう百名山踏破まで再訪はないでしょうが、これから行かれる方は是非参考にしてみてください。
ではまた。