子供の習い事が終わった昼過ぎ、近くのコンビニで家族それぞれ自分の好きな昼食を買い車に乗り込み、急いでキャンピングカーショー会場へ向かった。
「急にどうしたの?」
子供たちは私が突然突拍子もない提案をしてきたことに戸惑い、そのキャンピングカーショーというものがどういうものかを確認する余裕も無いようだった。
「いやさ、キャンピングカーってあるじゃん。それがどういうものか見に行こうかと思ってさ」
「買うの?」
「いやいや、まだ見るだけだよ。良かったら一度レンタルしてキャンプしてみようかと思ってるんだ。テント張らなくていいし、前の晩から出かけられるし便利そうだと思って。」
「へー」
昨晩、突然の発表に動揺する 子供たちの疑問に軽く答えた後、私はひとり自室でキャンピングカーについて検索していた。
すると色々なことが分かった。
・自分がイメージしているキャンピングカーは「キャブコン」と呼ばれていること。
・2m×5mのサイズ以下が行く先々で困らなそうだということ
・実際に乗られている方の主な用途はキャンプではなく「車中泊」だということ
・バッテリーが何やら重要そうだということ
ふと興味本位に「購入」という選択肢が頭をよぎり、当然のことながら中古を探してみるが、すぐに異変に気付く。
「高い・・。10年落ち7万キロ走って500万だと・・」
その車体の元値がいくらかわからないが、10年落ちの国産小型トラックベースの色褪せたキャンピングカーが500万円という事実に戸惑いを隠せない。
うっすらと500万もあれば買えると思っていたものが10年落ちで500万。
「何なんだ・・・」
ショーへ向かう車の中でおにぎりを口に押し込みながら、そんな昨晩の事を思い出していた。